職場で逆パワハラをされて「もう会社に行きたくない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。実は最近、逆パワハラで悩んでいる人は急増しています。
真面目な人ほど、逆パワハラに悩んでしまいます。ただ対処を間違えると「パワハラだ!」と普段から逆パワハラをされている部下に言われてしまいます。
「いやいや、それお前が言う!?」という状態ですが、残念ながら逆パワハラをしてくる部下はこれぐらいのことはしてきます。
逆パワハラをされて神経が擦り切れている人に向けて、どのような人が逆パワハラを受けやすいか事例も交えて対処をご紹介します。
逆パワハラとは
逆パワハラとは、言葉の通り「パワハラの逆」。ちなみにパワハラの定義は次のようになります。
パワーハラスメントとは、社会的な地位の強い者による、「自らの権力や立場を利用した嫌がらせ」のことである。略称はパワハラ。地位や権力に対応したものではなくいじめに近い概念としての理解に変わってきた。引用:ウィキペディア(パワーハラスメント)
普通に考えると「権力を持っている上司のほうが有利」なのですが、職場の環境によっては「逆転」することもあります。部下の立場が有利になって、その立場を利用して逆パワハラが生まれます。
いわゆる「いじめ」とまでは言わないものの、「限りなく部下からのいじめに近い状況」です。
また逆パワハラは「誰かに相談しにくい」という見過ごせない大きな特徴があります。
パワハラと逆パワハラの違い
パワハラは、上司が自分の権力を使って部下にハラスメントをすることです。これは普通に考えて理屈で分かりますよね。力を持っているほうが弱い立場の人に対して、精神的・身体的に嫌がらせをします。
逆パワハラの場合は少し事情が違っていて、「何故か弱い立場の人(部下)が強い立場の人(上司)に対して」嫌がらせをします。
さらにパワハラの場合は「するほうが1人」で「されるほうは1人から複数」で、逆パワハラの場合は「するほう(部下)は1人から複数」で「されるほう(上司)は1人」なことが多いです。
つまり逆パワハラの場合は「複数の部下」から被害を受けている場合が多いです。そのため職場でも味方がいなく、孤立しやすいです。
「愚痴を言う相手が社内にいない」はかなり厳しい環境です。
逆パワハラを受けやすい職場環境もある
現在逆パワハラを受けている人は、「職場の環境が悪い」場合もあります。職場の環境が悪いと「自分ではどうしようもない」ことも多いです。
ここで言う「職場が悪い」とは具体的に次の場合のようなことをいいます。
- 上司ではあるが権限が少ない
- 部下のレベルが低い
上司ではあるが権限が少ない(名ばかり上司)
まず第一に「名ばかり上司」の場合は、逆パワハラを受けやすいです。つまり「自分には何の権限もない」状態です。このような環境だと、パワハラの定義にもある「権力を使って」というのが当てはまりません。
普通、上司にしっかりと権限があると、逆パワハラされることは少ないです。大概は「職場の飲み会で、自分がいないときに部下たちが自分の悪口を言っている」ぐらいなものです。
普通はこういう感じです。それは上司に「人事や仕事内容についての権限があるから」です。そのため「あからさまに」反抗されることは少ないです。
権限がないと、注意しても部下は気にしないですよね。
「どうせ何を言われても関係ない」とバカにされてしまいます。このような環境で逆パワハラを受けている人は多いのではないでしょうか。
簡単に言えば「私に逆らうと、一生出世できないよ」という人事権を使えないのが、名ばかり上司です。
最近は「名ばかり管理職」も増えています。何も決めれる権限がなく、また給料も上がらないのに「肩書だけ」ちょっと偉くなっているのです。そのせいで逆パワハラされたらたまったもんじゃないですよね。
部下のレベルが低すぎる
次は部下がかなりヤバイやつの可能性もあります。生まれながらに他人を攻撃しないと気が済まない「サイコパス」の場合もあります。
普通は社会人になると、他人に対しての嫌がらせは表立ってしなくなります。ただ部下が攻撃的なサイコパスの場合は「マジでガンガンに逆パワハラ」をしてきます。このようにレベルの低い、精神年齢が中学生で止まっているような人が部下がいる場合は「運が悪い」です。
正直、これは「運が悪かった」と思うしかないですよね。レベルの低い部下たちの上司になった時点で「逆パワハラされる運命」だったのかもしれません。
レベルの低い部下が1人ならまだいいですが、「これが奇跡的に何人も集まっている」場合は地獄ですよね。
レベルの低い部下が集まると「何を言っても通じない」可能性が高いです。こういった環境では上司はレベルが低い部下たちから逆パワハラを受けやすくなります。
逆パワハラをしたら出世に響くというところまで頭が回らないのです。もっと言えば「逆パワハラをしたら相手が可哀そう」という人間として根本的な部分を理解していない可能性もあります。
逆パワハラを受けやすい人の特徴
ただ「職場の環境が悪い」だけでは逆パワハラのすべては説明できません。いくら環境が悪くても、全く部下から逆パワハラをされていない人もいます。それなり部下と上手くやっている人もいます。
このような「部下と上手くやっている人」と「逆パワハラをされやすい人」は何が違うのでしょうか。
逆パワハラを受けやすい人の特徴は次の5つです。まずは自己診断してみてください。そして「多く当てはまるほど注意が必要」です。
- 存在感が薄く大人しい人
- 優し過ぎる人
- 真面目な人
- びっくりするほど仕事ができない人
- 職場で孤立している人(味方がいない)
存在感が薄く大人しい人
まずは「とにかく大人しい人」です。最近は特に「若い世代(20代後半から30代半ば)」に多いです。この世代の人たちは「驚くぐらいに事なかれ主義」なため、存在感が非常に薄いです。
「紙で出来てるのかな?」と錯覚するぐらい薄く存在感がありません。すると当然ながら逆パワハラをしてくる部下に目をつけられます。当然ですよね。
何も言い返せないような大人しい人を逆パワハラを仕掛けてくる部下たちは狙っています。
「わざわざ存在感のある、声が大きくうるさい人」には行きません。そして大人しい人は逆パワハラをされても、「特に何もしない」ので薄っすらとずっと逆パワハラをされ続けます。
優し過ぎる人
優し過ぎる人は、女性には人気があることもありますが、職場では残念ながら逆パワハラの対象になります。優し過ぎる人は、「他人と争うのは死んでもイヤ」と考えているため、逆パワハラをされても「何も言い返さない」のです。
そして優しいので、何か言われてもヘラヘラしていることが多いです。笑っていても何も解決しないのですが、優し過ぎる人は「注意の仕方」が分かりません。
逆パワハラをしてくる部下たちも、怒られずに上司がヘラヘラしてるだけなので「当然自分たちから止めることはしない」です。
自分のような優しさを周りの部下が持っているとは限りません。自分の中の判断で「こちらから何も攻撃しなかったら、逆パワハラも止めてくれるだろう」と思ってもダメです。
逆パワハラをする部下からすると、「上司が優しい」というのは逆パワハラを止める理由になりません。優しさだけでは世の中にある逆パワハラは止められません。それどころか、逆パワハラの矛先が自分に向いてしまうことのほうが多いです。
真面目な人
真面目な人も逆パワハラを受ける対象になります。真面目ということは基本的には怒ったりしません。いや「怒り方が分からない」真面目な人も多いです。
それに真面目でも「頑固おやじのような人」なら逆パワハラの心配はありません。一本筋が通っているような人なら大丈夫です。
ただ優等生タイプの真面目な人は逆パワハラを部下から受けやすくなります。優等生タイプの人は良い人が多いのですが、世の中にいる人が真面目な人に対して好意的なわけではありません。
「真面目だからムカつく」という人もいるのです。こういう人が逆パワハラをしてくるので、優等生タイプな真面目人は苦労することになります。
なぜなら「自分は真面目に仕事をしているだけ」なのに逆パワハラをされるのです。たまったもんじゃないですよね。ただし世の中には不条理に逆パワハラを仕掛けてくる人もいるというのを理解する必要があります。
びっくりするほど仕事ができない人
逆パワハラをされる人のなかには「びっくりするぐらい仕事ができない人」もいます。正直、自分でも気づいていると思いますが、「部下のほうが優秀」といったこともありますよね。
仕事の成績や人望など、どう考えても自分よりも部下のほうが優秀だと感じるときもあります。これは職場の環境が悪いですよね。
そしてこういう場合は「部下は間違いを指摘しているだけ」のときもあります。その部下からの指摘を「逆パワハラだ!」と勘違いしている場合も、この仕事ができない人の場合は考えられます。
仕事ができない人は、「残念ながら部下のほうが出世する可能性が高い」ので、自分がどういうポジションを職場で築きたいのかによって部下への対応を変えましょう。
「たぶん自分より出世するな」と感じたら、素直に優秀な部下の言うことを聞いたほうが良いこともあります。ただ「執拗なまでの逆パワハラや人格攻撃」をされているときは、その部下はそこまで優秀ではありません。
職場で執拗な逆パワハラや人格攻撃をするのは出世には不利です。普通に考えたら、人格攻撃や執拗に上司を攻撃している人は印象が悪いですよね。
ただ部下のほうが優秀だと感じている人は、その逆パワハラだと感じていることが「ただの部下からの指摘ではないのか」というのも考える必要があります。
職場で孤立している人(味方がいない)
最後は「職場で孤立している人(味方がいない人)」です。これは一番悲しい状態ですが、職場で孤立している人も部下から逆パワハラを受けやすいです。
逆パワハラをするような部下は「むしろ孤立しているから狙う」のです。職場のなかで弱い立場なので、励ましてあげようなどとは考えません。
「孤立している人を逆パワハラしても自分に危害がないと分かると」部下は徹底的に逆パワハラをしてきます。世知辛い世の中ですが、弱い人ほど逆パワハラをされやすいです。
同僚や部下、さらには上司からも信頼が厚い人は逆パワハラをされにくいです。そんな信頼が厚い人を逆パワハラすると、「自分が攻撃される可能性もある」ので。
逆パワハラをするような人は、「自分に危害が加わる」のを一番恐れています。
そのため職場で孤立している人は「絶好のターゲット」になります。
部下に逆パワハラを受けたときの対処法3つ
それでは実際に部下から逆パワハラを受けたときの対処法を3つご紹介します。対処をするときは「自分がどのように対処したいか」によります。がっちり組んで解決するのか、現実的にソフトランディングしたいのか、それぞれの対処法です。
- ハッキリと言い返す
- 上司に相談する
- 気にしない
どれも逆パワハラを受けたときに効果がある対処法です。具体的に一つずつ見ていきましょう。
ハッキリと言い返す
一番最初に考えるべき対処法は「ハッキリと言い返す」ことです。言い返すことは一番の王道なので、まず試してみましょう。逆パワハラをされてもやもやしている人は、恐らく、今まで一度も言い返したことがないのではないでしょうか?
逆パワハラをされやすい理由は「言い返さない」というのが非常に大きいです。
最初は本当にどんな些細なことでもいいから、自分の意思を相手に伝えるようにします。
逆パワハラをされている部下と仲良くするのは諦めたほうが良いです。というより「逆パワハラをされている部下と仲良くするメリット」って何かありますか?
自分のプライドを傷つけるだけなので、思い切って逆パワハラをされたら言い返すようにしましょう。
検討外れなことを言ってもいいので、「とにかく怒っている」という態度を見せる必要があります。日本人は基本的には揉め事が嫌いなので、積極的に逆パワハラをしてくる部下以外は変なちょっかいを出さなくなります。
「ふざけるな!」と一言大きな声で言うだけでも全然違ってきます。
ハッキリ言い返すほうが相手にも伝わりますし、自分のメンタルにも良いです。
言い返すことで多少の気まずさはありますが、それも一瞬です。
周りの人からすれば「なんか怒ってるね」という程度で、1週間もすればみんな忘れます。今まで逆パワハラをされていた状況よりも改善する可能性が高いので、まずは「自分の意思を伝える」ようにしっかり伝えるようにしましょう。
上司に相談する
次は現実的に一番選びやすいのが「上司に相談する」ということです。これが逆パワハラの対処法としては一番現実的かもしれません。
今まで逆パワハラをされてきたということは、「言い返すのが苦手」な人の可能性が極めて高いです。誰かと争うというのが苦手な人はいます。
そういう人は「自分よりも上の人に相談」しましょう。
上司というのは基本的には部下から相談されたいものなので「あのぉ・・・」と話しを切り出してみましょう。相談することで、上司は自分の味方になってくれる可能性もあります。
最初は少し相談するのも恥ずかしいかもしれませんが、「そんなことを恥ずかしがっていたら何も解決できない」です。
また逆パワハラされていることを自分の中だけで抱え込まずに誰かに相談したほうが肩の荷が軽くなります。1人で抱えていても何も良いことはありません。
気にしない
最後は「逆パワハラされても気にしない」ということです。これが出来たら苦労はしないのですが、最終的にはこの「部下から何を言われようが気にしない」ぐらいの精神力は欲しいところです。
部下から嫌味なことを言われたり、無視されることは日本中の職場で起きています。これは間違いありません。
ただなかには部下から逆パワハラをされても「そんなに悩んでいない人」もいます。そういった人は「自己評価が高い」です。
部下から逆パワハラをされても「自己評価が高い」と部下の言うことも真に受けなくなります。「あぁまた何か言ってんな」という程度にしか感じなくなります。
逆パワハラを受けている人は、「部下の行動を尊重し過ぎている」状態です。部下の行動や言動を気にするよりも「自分の評価を高める」のが大切です。
部下の言動が気になる人は、部下のことを気にし過ぎている状態になっていて自己評価が低くなっています。
「どうせ部下なんだし、自分のほうが立場は上。あんな奴のことを気にしないでおこう」という気持ちでいると、徐々に逆パワハラをしてくる部下のことが気にならなくなります。
さらに気にならなくなったら部下からの逆パワハラもなくなっています。要はそういうことなのです。相手からの逆パワハラに「嫌だなぁ」という反応をしているから、余計逆パワハラを仕掛けてくるのです。
「自分のほうが立場は断然上!」という自覚を持って入れば、立場が下の部下の言うことは聞き流されるようになります。